今日も明日も
第30章 理由はいらない 3rd
「マージーでーっ!?」
マネージャールームに潤の声が響き渡った
「ちょっ…声デカいよ」
慌てて俺がそう言うと、潤は両手で口を抑え
今度は顔を近付けてくる
「チューはやめて」
「するか、アホ」
…前にも同じやり取りしたような気がするけど
気のせいかな
「…マジで上手くいっちゃったの?」
潤の鋭い目が、可愛く思える位にまんまるになっていて
何だか変な優越感
「潤が、代わってくれたおかげだよ」
本当そう
あの日シフトを代わってくれたおかげで
二宮さんと出掛ける事が出来て
告白が成功して
所謂『恋人』になれたんだ
「はぁ~っ上手く行くとは思ってなかったわ、マジで」
「まあ、そこは俺もびっくりしてる」
「けどまあ、良かったんじゃね?」
なんて言って、潤がとびきりの笑顔を見せてくれた
「うん!」
だから俺も、とびきりの笑顔を返したら
「来月、俺の分の交代よろしくね
…6連勤の夜勤付き」
とびきりの笑顔が、悪魔の笑顔に変わった
End