テキストサイズ

今日も明日も

第32章 ハイスクールDAYS


「部屋、先に行っててよ」
家に着いて、雅紀にそう言った

「かずは?」
「ジュースとか、用事するから」

「分かった、じゃあ先にお邪魔しちゃう」

素直に階段を上がり始めた雅紀は、そのまま迷う事なく、俺の部屋に向かった


それを見送って、俺も冷蔵庫からジュースを出し、お菓子を用意する

トントンと階段を昇ると、後少しのところで雅紀がドアを開けて待っててくれた

「あ、ありがと」
「どういたしまして」

にっこりと雅紀が笑う
そしてそのまま、俺からお盆をスッと取り上げた

ー…優しいなぁ
なんて、少し感心する
俺はそこまで気は回らないもん



「変わってないね、かずの部屋」
ぐるりと見回した雅紀が、どこか懐かしむような顔をした

「模様替えとか、興味ないから」

広くない部屋は、座るスペースも限られてるから
ベッドに座っている

その俺を、床にクッションを敷いて座っている雅紀がふいに見上げた

あまりない、下から見上げる雅紀に
何故かドキッとした

…何だか、カッコ良く見えたから


ストーリーメニュー

TOPTOPへ