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今日も明日も

第33章 ほのかに甘くholiday


オレンジ色に染まる夕暮れ

カァカァとカラスの群れの鳴き声と、足元辺りから聞こえる蛙の合唱

見渡す限り、回りは田んぼで外灯1つない

そして今、俺達が歩いているのは
まさにその田んぼと田んぼの間の…畦道

何でこんな所を歩いているのか

勿論ロケでもなければ、知った道でもない

理由はコイツ…
略地図を見ながら、しきりに首をかしげている
超が付く天然男


「おっかしぃなぁ…」

何度このセリフを聞いたことか
…もう、ゆうに2時間はさ迷ってるんだけど


「ねぇ、まだなの?…俺、マジで疲れたんだけど」

歩きすぎて足が痛い
いくら、運動向きのシューズだって言っても
限度ってもんがある

「もう、見えてもいいはずなんだよなぁ…」
地図を見ながら、また首を傾げるから

「相葉さんって地図読めるの?」
つい、恨めしげに聞いてしまった

「うん。…多分ね」

しれっと言うそのセリフは
きっと…いや、間違いなく読めないと見た

「ちょっと貸して!」
相葉さんの手から、それを奪い取る

"なんだよー" なんて良いながら、蛙を見つけてしゃがんでいる相葉さん



…嫌な予感、的中


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