今日も明日も
第33章 ほのかに甘くholiday
雨蛙を見て、楽しんでる相葉さんの頭を叩いた
「ってぇな!いきなり何だよ」
叩かれた頭を抑えて、相葉さんがしゃがんだまま俺を見上げる
「…これ、ここの地図じゃないんだけど?」
「嘘っ!!」
慌てて立ち上がった相葉さんが、俺からまた地図を奪い取る
「あのね、この地図にある建物…この辺に見えてる?」
そう、地図には目印となる文化センターが記されている
しかも、その近辺にも
多少なりとも建物表記があるんだ
「…あはは、ないね、確かに」
相葉さん、自分で言って自分で笑ってる
建物のたの字もないのに、何でこれで合ってると思うんだよ
訳わかんねぇよ
「スマホは?」
「さっきからずーっと圏外」
これを迷子と言わずに何と言うんだろうか
大の大人が二人、こんな田んぼ道のど真ん中で途方に暮れるって…
「もう!このあいばか!」
疲れたのと、どうして良いか分からない不安に
俺はその場にしゃがみこんだ
「にのぉ~…そんな怒んないでよ」
相葉さんが、俺の隣に同じようにしゃがんで
顔を覗きこんだ