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今日も明日も

第33章 ほのかに甘くholiday


「ツラかったら降りるよ…?」

喋るなって言われても、気遣うフリしてまだ話しかける

その度にビクッとする相葉さんが何か可愛く感じてしまって、…調子に乗ったのがいけなかった

次々に短い単語で話しかけていたら


「にの…マジで降ろすよ?」
相葉さんの声が、低くなった

ヤバイ
怒らせちゃった?

…暗くなるにつれ、大きくなってる蛙の合唱

姿が見えない分、余計に怖いのに
ここで降ろされたら本気で困る

「ごめん…なんか黙ってるのも悪いかと思って」

だから、最もらしく謝っておいた

そしたら、凄く大きな溜め息を吐いた相葉さんが
パッと俺の足を抱えてる手を離して

「え!ちょっ…」

地面に降ろされてしまった

やだよ
マジで歩けない
…本当に怖いんだよっ


思わず泣きそうになってしまった俺に向き合った相葉さんは

「文句言うなよ?」

ニヤリと笑うと、さっと俺の背中から脇にかけて片手を
…もう片方を俺の両膝の後ろに回すと

勢いをつけてそのまま俺を抱き上げた

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