今日も明日も
第33章 ほのかに甘くholiday
「タクシー来るって」
「そっか」
どちらからともなく手を繋ぐ
「帰ったらみんなに謝らなきゃ」
「そうだねー…地図が分かりませんでしたって」
揶揄るように俺が笑う
「にのは蛙を怖がって抱っこされてましたーってのもね」
負けずに相葉さんも笑う
「にの」
ふいに真面目な顔をした相葉さんは
「…本当に、俺の恋人になってくれる?」
突然改まったように、俺を見つめてきた
「…はい」
だから俺も、そこは真面目に返した
「ありがとう…」
相葉さんがニコッとしてから、俺にキスをくれた
恋人、になって最初のキスは
…ほのかに甘い香りがした
End