今日も明日も
第34章 100%のきもち 2nd
「にの、どう?行ける?」
収録の合間、隣に座った櫻井さんがコソッと耳打ちしてきた
「あ、はい……大丈夫」
頭を打って、失くしてしまった記憶はまだ戻っていなかった
だから、収録前にひたすら「自分」を録画したのをチェックして
喋り方や、絡み方、動きを頭に叩き込んで収録に挑んでいる
今日はゲストと対戦するゲーム番組
割と毒を吐いたり、突っ込んだりする事が多いから
正直なところ、今の俺では結構ツラいものがある
だから、なるべくゲームに参加して
応援に回らないように事前にメンバーに相談していた
それが出来ない時は、両側にメンバーの誰かに座って貰うようにした
…もちろん片側は、相葉さんだけど
幸い、記憶を失った後の仕事で
大きなヘマはしないで済んでいる
たまに「あれ?」ってなってしまう事はあるけど
周りが不審に思う事はなかった
自分の演技力も多少はあるにしても
…それはやっぱり、皆の協力がとても大きかった