今日も明日も
第36章 My Sweet Home
「ポチ、来い!」
すかさずにのがポチを呼ぶ
「違うから、ね?」
にのの足元にお座りしたポチが、頭を撫でられて目を閉じた
「にの」
「え?」
「嬉しいよ、俺」
自分の顔が蕩けそうになってるのが分かる
「もう、しないもん」
真っ赤な顔でぷいっと横を向いたけど
…ちょっと嬉しそうだよ?
「あ、今日何時に行くの?」
にのが、逃げるように話題を変えた
「うん、10時半くらいに行きますって言ってある」
「ポチは?」
「ぜひ、連れてきてくれって」
自分の事を言われてると分かってるのか、ポチは不思議そうににのを見つめていた
…本当、賢いなコイツ
ポチが喋れなくて良かったと心底思うわ、マジで
「にの、先に支度しちゃってよ
…俺はキッチン片付けとくからさ」
「そう?じゃあよろしくね」
"いててて… " と顔をしかめながら立ち上がるにのに
もう一度 "ゴメン "と呟いた
腰を抑えながら洗面所に向かうにのを
ポチまでもが心配そうに見送っていた…