今日も明日も
第40章 昨日の他人は今日の恋人
「お…覚えてるよ、うん」
「嘘ばっか」
今度はちょっと拗ねたように俺を軽く睨むから
「嘘じゃないよ!」
少し離れた体を、またぎゅっと抱き締めて
おでこの髪を後ろに撫で付けてみた
「ん……」
彼の目が、気持ち良さげに細められる
ー…あ、可愛い
じゃなくて!
…俺、何やってんだ
行きずりの、何処の誰かも知らない彼を家に引っ張り込んでヤッちゃった訳?!
彼…
そう、「彼」
しかもれっきとした、見間違えようのない「男」と!?
「ねぇ、まーくん」
俺の慌てる様子にクスクス笑いながら、彼… “かず“ がゆっくりと体を起こした
「俺ね、初めてだったの」
「…え?」
いきなりの発言に、意味が掴めない
「エッチしたの、これが初めて」
「あ、そ、そうなんだ……って、えええ!?」
だけど次の言葉に俺の頭はパニックになった
「責任取ってよ」
パニックになる俺に構わず続く言葉に、頭が付いていかない