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今日も明日も

第42章 おさななじみ



ブスッとした顔でベッドに座ってるかずは、俺と目を合わせようともしてくれない

「何でそんなに怒ってんの」
カーペットの上に座りながら、かずを見上げるけど

「怒ってない」
…明らかに怒ってる口調でそっぽを向くとか

それが “怒ってる“ 以外の何物なんだっつーの


「怒ってんじゃん」
「怒ってない」
「いや、怒ってる」

「うるさい!」
それまで、声を荒げる事はしなかったかずが
突然耳を塞いで叫んだ

「何だよ…ねぇ、かず?

本当に何でそんなに長く怒ってんの?」


「うるさいうるさいうるさいっ!!」
耳を塞いだまま激しく首を振る

いきなり豹変したかずを宥めようと、手を伸ばした途端

大きくビクン、と震えたかずが
伸ばしたそれを思い切り叩いた


だけど
叩かれた事よりも、こんなに取り乱したかずを見るのが初めてで

俺は凄く不安になってしまった


「……っ」
顔を見れば、今にも零れ落ちそうなくらいに涙をしたためていて

そんな顔をしたかずがあまりに儚くて

まだじんじんする手を再びかずに伸ばしていた



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