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今日も明日も

第42章 おさななじみ


「おばさん!かずいる?」

いきなり玄関を開けても、驚かれもしない間柄は

それまでの付き合いの長さがあるから


「部屋にいるわよー」
顔を出す事もなく、かずのお母さんが中から答えてくれて

…かずにもこのやり取りは聞こえてるはず

でも2階だから、逃げ道はない


「上がりまーす!」
「はいはーい」

さっさと靴を脱いで階段を上がって
廊下の突き当たりの、かずの部屋に向かった俺は

一応ドアをノックして

「かず?」
中にいる、かずに声を掛けた


掛けたけど、…まあ予想通り返事はなくて

でも声は掛けたんだし、中にいるのも確実だったから

「…入るよ」
ちょっとだけ慎重に、そのドアを開けた


あれ…?

俺が入っても、何の反応もない

ベッドには、布団に包まれてるらしき姿



もしかして…寝てる?

そっとベッドに近付いてみれば
…がっつり眠ってるかずがそこにいた


「か……」
起こそうとして、それは止めた

だってあまりに気持ち良さそうな顔をしてるから

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