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今日も明日も

第42章 おさななじみ





「雅紀ーっ早くしてよ!」
「待って待って!今行くからっ」


取り戻した朝の日常
“うるさい!“ と怒る母親の声

慌てて玄関を出れば、呆れた顔のかずが待っててくれて

「遅い」

「だって起きれないんだもん!」
「開き直んな、バカ」

「かず」
“なんだよ!“ と振り向いた瞬間を狙って唇を掠め取る

「あ、こら!!」
「毎朝引っ掛かる方がバカなんですー」

「もう!」
プイッとそっぽを向いて俺を残して歩き出すけど




俺、知ってるんだよ?

毎朝、キスされるの分かってるくせに引っ掛かるフリしてるの


だってさ
怒る素振りで先に歩き出すけど

耳は真っ赤だし
ちょっと嬉しそうに口元緩んでるし

ほら、また指で確かめてる

その後に、クスッと笑うんだよ



「かーず、ごめんて」
ここまでの行動を見届けてから、俺はかずの横に並ぶんだ

そしたら、“仲良しのおさななじみ“ に戻るから


もう、“おさななじみ“ では終わらないけどね



End


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