今日も明日も
第43章 やさしいキスをして
とにかく今日は異常に疲れていた
撮影に、インタビューに、コンサートの打ち合わせ
…言ってしまえばいつもの事だし、ハードに動いてる訳でもない
だけど
マネージャーの運転する車に揺られながら
普段なら絶対にしないはずのガチ寝をするくらいに、疲れきっていた
だから、頭が回らなかったんだ
車の中でスマホが鳴って
それが相葉さんからで
“これから行っていい?“ ってお伺いに
断る理由を伝えるのも面倒になって
「どうぞ」
それだけを伝えて、スマホをシートに投げ出していた
すっかり忘れてたんだ
俺が、相葉さんに打ち明けられた事を
そしてその答えを
出さなきゃいけないんだって事を
この時の俺は、大野さんじゃないけど
何をさておいても眠りたかった
「…着きましたよ」
控えめなマネージャーの声掛けが、段々と苛立ちに変わる頃
ようやく目を覚ました俺は
「珍しいですね」
終いには笑われた