テキストサイズ

今日も明日も

第43章 やさしいキスをして


「そりゃ、わたしだって疲れますって…」

きっと、口をぱっかーんと開けてバカ面してたんだろうな

だって口の中、乾いちゃってるし

さっきから、マネージャーは必死に何かを堪えている様子だし


「明日はオフですから、ゆっくり休んでくださいね」

「ん、ありがと…お疲れ」
だけどそこは敢えてスルーした

わざわざ “変な顔で寝てた?“ って聞くのも嫌だし


車から降りて、そのままマンションの中に足を向ける

俺が入ったのを見届けてから、マネージャーも帰っていった


郵便物を取りながら
ー…そう言えば俺、誰かと電話で話したような?

無造作に鞄に突っ込んだスマホを取り出して
履歴をチェックして


「あああああ!」
ここがエントランスだと言う事を忘れ、俺は思わず大きな声を出してしまった

でも、すぐに気付いて口をつぐむ

幸い周りに住人の姿は見当たらなくて
…ホッと胸を撫で下ろした

誰かに見られたりしたら

《二宮和也、深夜の奇行》なんて噂になるとこだった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ