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今日も明日も

第9章 やきもち

静かに走る車。

相葉さんの運転は気持ちがいい。

俺は子犬を抱っこして助手席でボーッとしている。

白いカタマリも、俺の腕の中でおとなしくしていて
…その暖かいぬくもりは見ているだけで幸せな気分を引き寄せていた。





最初に俺の家によって、とりあえずの必要最小限の着替えやらをボストンバッグに突っ込み、それからペットショップに向かう。

ペットショップでは、店員さんに聞きながら必要なもの一式を揃えた。

支払いはもちろん相葉さんだけど、予想を上回る金額で、持ち合わせが足りずにカードで支払う。

だって「必要なもの」以外におもちゃやら洋服やら、ポイポイかごに入れてくんだもん。

「これ、楽しそうだよね」
って目をキラキラさせて選ぶのを、止められない。

…考えてみたら、相葉さんが拾った犬だしさ。

俺はただのお手伝いなわけだし。

夢中になって選ぶ間、たまに話しかけてはくれても
完全に意識が俺からなくなっていた事に、ちょっとだけムッとしていた。




相葉さんちに着くと、まずは小さいコイツを休ませたくて、2人で手早く買ったものをセットした。

ゲージに入れるのが何だかしのびなくて、買った犬用のクッションに下ろすと、気持ちいいのかそのまま丸くなる。


ようやく一息ついて、コンビニで買った弁当とアルコールをテーブルに広げ、ここから夕食タイム。

慌ただしかった1日から、やっと開放される。

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