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今日も明日も

第47章 その先に見えるもの ~理由はいらない~


とりとめのない話をしていたけど

“何故か男に告白された事が何回かある“

なんて言う爆弾発言に、今まさに缶の中身を口に入れようとした手が止まった


「え……」

「キモいでしょ?けど男子校のサガってやつ?」

二宮さん、笑ってはいるけど
目はそうは言ってない

多分、嫌な思い出なんだと思う

酔いに任せて、吐き出したかったのか
“キモい“ のに何で俺の気持ちに応えたのか

もしかしたら二宮さんは今も戸惑ってるのかも知れない


そう考えると、ハグは良くてもキスに抵抗があるのも何となく分かる





「あー、何か喋り過ぎた

…ごめんね」

喋るだけ喋ってから、二宮さんが謝ってきた

「ううん、謝らないで」
…俺が返せる言葉はこれしか見つからなくて

もっと気の効いた言葉が出ればいいんだけど、俺のボキャブラリーでは思いつかない


だけど
(酔ってるから)目を潤ませた彼を目の前にして
そんな話を聞いてしまったら



……やっぱりまた抱き締めたくなった



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