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今日も明日も

第48章 君がいるから~番外編・翔ちゃんの誕生日~


出来る範囲で俺も潤を手伝って、気付いた時にはもうそろそろ翔ちゃんが帰ってくる時間

「…なんか、緊張する」
思わず呟いたら

「ふは、今さら」
潤が吹き出した

「だってあんな事があった後なんだよ?」

「翔さんなら絶対平気」

…潤は何でそんなに自信ありげなんだろう
だけど潤が言うと本当に大丈夫な気がするから不思議だ




「あ、」
「帰ってきた」

いつもならしない、乱暴に鍵をガチャガチャと焦ったように開ける音が響いた

そしてこれまた乱暴にドアが開いたと思ったら


「さとし~っ!!」
何とも悲痛な叫び声

「ほらね」
潤が笑う

「あはは、本当だ」
あの声の意味は俺も分かる

だってね、ちょっと情けない声で俺を呼んだ後は

「ごめん!」
こうやって謝ってくるのがお約束だから



ドタドタと廊下を走って、俺達のいるリビングのドアを勢い良く開けた翔ちゃんは

何か言い掛けて口を開けたまま、固まってしまった


「……え?」

その顔が、見たかったよ

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