今日も明日も
第48章 君がいるから~番外編・翔ちゃんの誕生日~
特に会話はないけど
静かにグラスを傾けるだけの大人な時間は心地よくて
会話なんてしなくても、通じてるような空気があったかくて
…うっかり忘れるとこだった
今日最大のサプライズ
忘れちゃダメだろ!って自分に突っ込んで
急いで隠してた小さな紙袋を引っ張り出してきた
「翔ちゃん」
「ん?」
ヤバい、一気に緊張してきた
だって考えてみたら、これってまさにプロポーズじゃね?
でも翔ちゃんも、紙袋を見てプレゼントだってのは分かったみたいで
何だかソワソワしてる
「あの、えっと…」
翔ちゃんは俺の言葉を待ってる
それでなくても、今日は誕生日なんだし
俺だって決める時は決める!
…そう意気込んだはずなのに、喉が詰まったように言葉が出てこない
頑張れ俺
俺なら出来る
やろうと思えば何でも出来る
なんて自分でも訳分かんない気合いを入れて
「あのさ、翔ちゃん」
俺は1つ、大きく深呼吸をした