今日も明日も
第48章 君がいるから~番外編・翔ちゃんの誕生日~
「何で俺からのプレゼントなのに翔ちゃんが先に付けちゃうんだよ」
手を握られたまま、恥ずかしいのとちょっと悔しいので、拗ねたように翔ちゃんを睨む
「無意識だって」
そう言って笑ってるけど、絶対無意識な訳ない
「…俺からしたかったのに」
「だってプレゼントをどうしようと、貰った人の自由でしょ」
確かにね
上げてしまったら翔ちゃんの言う通りだ
ああそうか
翔ちゃんに開けさせないで、俺が開けてれば良かったのか
何だよ、俺やっぱ翔ちゃんみたいに頭良くないのが丸わかりじゃん
「……智」
「なに…」
「これ、そのつもりとして受け取っていいんだよな?」
“そのつもり“
当たり前じゃんか
もう、この先にはそれ以外ないだろうよ
「……うん」
「やっぱり智は、最高だよ」
翔ちゃんがテーブルを回って、思い切り俺を抱き締めた
「ありがとう、智」
…俺の肩口が、じんわりと濡れる
濡らしているのは、翔ちゃんの涙