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今日も明日も

第49章 春が近いから


すぐに唇を離すと、真っ赤になった相葉さんが両手で唇を覆った


「ばーか」
まるで何もなかったみたいにコーラを飲んで
ちらりと相葉さんを見たら

じっ…と俺を見つめる相葉さんがそこにいて

まだ少し顔は赤いけど、もう動揺はしてないっぽい


「…俺、嫌われてない?」
相葉さんが小さく呟いた

「帰れって言われたもんね、俺…」
“嫌われたの、俺の方じゃない?“

「それは……本当ごめん」
「ふふ、もういいよ」


相葉さんが、テーブルに置いた俺の手をそっと握りしめた

「相葉さん?」

「あのさ、改めて言っていい?」

「うん」

握っている手に、少し力が込められる
俺はちょっと恥ずかしくもあったけど、相葉さんの顔をじっと見つめた


「付き合って…くれる?」

「…うん」


俺から言ったはずが、何か逆になったけど
そんな事はどうでもいい

だってそれよりも
相葉さんが自分のものになったって言う方が嬉しくて仕方ないんだから


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