
今日も明日も
第49章 春が近いから
……はい?
「にのから好きって言われて、俺どうしていいか分かんなくなった」
「あ、相葉さん?」
「俺から言わなきゃってずっと思ってたのに、先に言われちゃったら…頭ん中パニックになって」
「…それであんな事をしたと?」
「ごめん……」
大きな体を小さくして、シュンとしている
何だよそれ
…怖かったんだよ、俺
だから一生懸命演技して、頑張ってこの時間を取り戻そうとしてたのに
「酷いよ……」
「ごめん」
「何で?」
「パニックになったら、目の前ににのがいるのに抑えられなくなって……ほら、俺健康男子だし」
「アホ!!」
パシン!と相葉さんの頭を叩いた
だけど重い空気は、相葉さんが今ので払ってくれた
無意識にこれをやっちゃうんだもん
相葉さん、狡いよ
俺は “演技“ しなきゃ作れないのに
悔しいから
ちょっとムカついたから
「相葉さん」
俺は身を乗り出して、相葉さんの胸元のシャツを掴んで
不意討ちのキスをしてやった
