
今日も明日も
第49章 春が近いから
だけどにのはそれに気付いてない
俺は、お前の事をデビューする前からずーっと見てたんだ
じゃれあってる時に、弱点なんてとっくに見つけてる
「わ…分かった、それでいい」
にのが頷いて見せた
あっさり引っかかるとこも、頭脳派のくせに抜けてるとこがまた可愛い
「…同時に、してみる?」
自分で提案しておいて、そのビジュアルを想像したらヤバいくらいに興奮してきた
一方的ににのを愛するのも幸せで良いけど
…絶対赤くなってたどたどしくなるだろうにのを思い浮かべたら
俺、抑え利くかな…
「まずは…キス、しよ」
俺のその言葉に、先手を打つかのようににのから唇を重ねてきた
薄目を開けて、俺の様子を窺っている
啄むように軽く唇を噛んでみたり、…今まで付き合った女の子にこんなキスをしてきたのかと思ったら
少しイラッとする気持ちが芽生えた
愛おしむような触れ方は、キスに慣れてる
女の子なら、間違いなく堕ちる
…そんな、優しいキスだった
