無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

迎えに来てくれ、と頼んだのは相葉さんの方だ


普段なら “面倒臭い“ “嫌だ“ と、そんなお願い突っぱねて
先にベッドに入って寝ているのに

相葉さんからのとりあえずのお願いコールに珍しく気分が乗って

“いいよ“ なんて安請け合いして、相葉さんを驚かせたのは何だったのか


指定の店の前に着いたのが30分前

そこでほろ酔いの相葉さんを拾って
…一緒に待っててくれた見知った顔に愛想を振り撒いて、車を出してやった


なのに

走らせている車の中はやたら冷え冷えとしていて

飲んでご機嫌の筈の相葉さんは何故か不機嫌で、ブスッとした顔でフロントガラスの先を見つめている


「何怒ってんだよ」

怒ってる意味がさっぱり分からなくて、危なくない程度に隣の恋人をチラ見しながら訊ねるけど

「怒ってない」

前を向いたまま相変わらずの仏頂面

嘘つけ
どこをどう取っても “怒ってる“ 以外の何物でもないじゃないか

その顔は誰が見ても “怒ってる“ としか表現出来ないぞ