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今日も明日も

第50章 単純同士の方程式


握ってた俺の左手を、相葉さんが自分の胸に引き寄せた

「信じてないんじゃない」

それを、心臓の上辺りにぎゅっと押し付ける

「にのを誰にも触られたくない。誰にも笑い掛けて欲しくない
…そう思う自分が情けない」

殆ど醒めたとは言え、まだアルコールが残ってるからこその本音

普段は、ベタベタするけどそこまでの独占欲は見せないくせに


「情けないの?」
上目遣いで相葉さんの顔を覗き込めば

「うん、すっげー情けない」
相葉さんは逸らす事なくまっすぐに俺と視線を合わせて苦笑して見せるから

「…俺は嬉しいけどな」
たまには俺も、酔ってはないけど本音を伝えてあげた

「にの?」

「俺ね、そういう独占欲なら大歓迎なんだけど

…ってか、こんだけ一緒にいて気付いてなかったわけ?」

相葉さん、驚いた顔してる

そりゃそうか

いつも “うざい“ とか “あっち行って“ とか冷たくあしらうもんね

でもね?

だからこそ、知ってて欲しかったな

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