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今日も明日も

第51章 おしおきは甘い味




やたら寒くて目が覚めた

まだ時期的に寒くても仕方ないのかとも思うけど
この寒さは尋常じゃない

ついでに言えば床が固い

ベッドに寝てる筈なのに何で固い?

しかも

何故か頭上で鳥の囀り

え?

何で鳥?


漸く覚醒した脳が “目を開けろ“ と指令を出した

部屋の中にしては瞼を閉じていても眩しさを感じさせるのはどうしてだろう

何だろう
目を開けたらいけない気がする

開けちゃったら、俺の何かが崩れる気がする



だけど

このままでいいわけない
それにこの寒さの中にいつまでもいたら、体調崩すのは目に見えている

崩したら仕事に多大な影響が出てしまう





「……やっぱり」

薄々分かってはいたけど
目を開けて、絶望的な気分になった

マンション前の公園

朝日が目に痛い
頭の遥か上を雀が飛び交っている


腹の上にほっぽっていたスマホを手に取って時間を確認すると、『5時50分』

時期が時期だし、朝早い事もあって
元々人があまり来ないこの公園だから、俺は声も掛けられないままだったんだろう

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