今日も明日も
第51章 おしおきは甘い味
勝手知ったるで、にのが部屋に入るなり風呂をセットする
「先にさっぱりしてきなよ」
話を聞きたいのを我慢して、俺を優先してくれるにのが自分の鞄からゲームを取り出した
にのなりの気遣い
本当は気になって仕方ないくせに
だけど俺自身がこんなんだから、問い詰める必要はないと判断したんだろうな
これがもし、わざと約束をすっぽかして遊んでたら
……考えるだけで怖い
「ねぇ、にの」
風呂上がり、リビングに戻れば
ゲームをしてたはずのにのがうたた寝していた
そういえば凄く疲れた顔してた
にのは寝ずに俺を捜してくれてたのかもしれない
帰って来るかも、とここに来たのはいいけど居場所に困ってあんなとこに隠れてたんだと思うと
胸が痛くなった
座ったままじゃツラいだろうと、起こさないようにその体を抱き上げて
「……っ」
見てしまった涙の跡
それが何を意味する涙なのかは分からないけど
心配掛けてしまった事には変わりない