今日も明日も
第52章 Bitter Sweet
起きてるくせに
こっちを向きたくて仕方ないくせに
「かず、ただいま」
タオルケットの上から抱き締めると、今度はあからさまに体が揺れた
「寂しかった?」
「……」
勿論無反応なのは承知済み
だからここからは、こっちを振り向くまで俺が彼に構う時間
「早く帰れなくてごめんね」
頭まで被っているタオルケットを引き剥がす
肩まで見えた彼はタンクトップを着てるから、露出した肌が多くてドキッとした
何度見ても、陽に焼けない白い肌に翻弄される
若い、きめ細かいそれにむしゃぶりつきたくなる
「早く帰りたかったんだよ」
顕になった後ろ首に息を吹き掛けて、びくっとした瞬間に唇を押し当てた
「…っ」
小さな呻き
我慢なんてしなくていいのに
「俺は寂しかったんだけどな」
ちょっと声が笑ってしまったのに気付いたかずが、ゆっくりと振り向いた
俺を睨み付けるその目がほんのり赤い
そのくせ、仔猫みたいに必死に威嚇してくる