今日も明日も
第54章 Perfect Life
夕方
外回りから直帰の報告をした俺の方が、早く駅に着いた
この駅で待ち合わせるのは凄く久しぶりで
何だか付き合い始めを思い出す
今か今かとそわそわしながらかずを待っていたあの頃は、顔を見るだけでドキドキしたっけ
嫌われないように、凄く一生懸命だった
…それは今も変わらないけど、あの頃と違うのは
やっぱり信頼と、更に上回った愛情
毎日顔を見ていても
声を聞いていても
「お待たせ、相葉さん」
小さく手を振るかずの姿が目に入った時の
…この瞬間の嬉しさは、ずっと変わらない
「早かったね」
“まだ15分だよ“ とかずが笑う
「直帰にしたから、6時には着いちゃった」
俺がそう言うと
「だったらメールくれれば良かったのに」
少しだけ眉をしかめた
「待ってるのも楽しいもんだよ」
「何それ」
呆れたように言うけど
強がりなんかじゃなくて
かずが来てくれるって分かってるから、待ってる時間も全然苦じゃないんだ