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かずが翔ちゃんを睨み付けている

…いや、違うな
あれは完全に、拗ねた子どもの顔だ

ゆっくりしよう、と俺達のマンションに移動した後
自分のテリトリーに入った安心からか、翔ちゃんに絡んでいる


拗ねた顔もまた可愛い❤、なんて思いながらも
かずが怒ってる理由は充分に分かるから

俺と大ちゃんはキッチンで宴会の支度をしつつ、二人の状況に興味津々で意識を向けていた



「…なんで、言ってくれなかったんですか」
恨めしげなかずの声

「何怒ってんだよ、会えたんだからいいだろ」
そんなのは意に介さない、翔ちゃんの飄々とした返事は昔と変わらない

「同じ社内にいたのに…酷い」
「そこはほら、サプライズ、って奴？」

ああ、翔ちゃん面白がってる
声だけでもそれが充分に伝わってくる

「櫻井さん、俺の事嫌いになったんだ」
「え、ちょっ、二宮？」

あーあ、やっぱりな

見なくても、かずの目が潤んで来たのが分かった

だって翔ちゃん、慌ててるし

…子どもと動物には敵わない、に絶対かずの涙も当てはまる気がするのはきっと気のせいじゃない