今日も明日も
第56章 Perfect Story
近くにいなくても、なかなか会えなくても
ずっとこの繋がりは大切にしたい
翔ちゃんは大ちゃんと
俺は勿論かずと一緒に年を重ねていって
仕事から解放されたらのんびりお茶を楽しむような、そんな関係を築きたい
ふと、そんな事を思った
「雅紀」
新幹線がホームに入り、それに最後に乗り込んだ大ちゃんが振り返った
「なぁに、大ちゃん」
「ちょっと来い」
呼ばれるままに、ドアに近付くと
閉まる合図のメロディに合わせて大ちゃんが俺に耳打ちして笑い掛けた
「…うんっ!」
「またな!」
ドアが閉まる
ゆっくり動き出した新幹線の中と外から、完全に見えなくなるまで手を振った
静かになったホームで、寂し気に肩を落とすかずの背中に手を回し
歩くように促すと、かずは素直に歩き出した
「行っちゃったね…」
何となく涙声のかずの背中をあやすように叩く
「また会えるから大丈夫だよ」
「うん…、そうだよね」
さっきのドアの閉まり際に大ちゃんが俺だけに教えてくれた事