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今日も明日も

第56章 Perfect Story


何だか気まずくて、帰るまでぎこちなくなってしまった俺達は盛り上がりに欠けた時間を過ごし

結局あまり会話がないまま新幹線のホームまで見送りに来ていた

とは言っても、これでまた暫く会えないと思うとやっぱり寂しいのか

かずは翔ちゃんの傍から離れようとしない

俺と大ちゃんはとりとめのない会話を取り戻してベンチに座っている

翔ちゃんはかずに…多分教育の話をしていた

翔ちゃんの後を引き継いだかずの教育にアドバイスをしてあげてるらしい


せっかく会話が戻って、自然な笑顔が出てきても
時間はどんどん過ぎていく

新幹線の到着のアナウンスがホームに響き、やっぱり慣れない別れの時間が近付いた

見れば、またかずは涙目になっている
…そりゃ俺も寂しいけど


「にの、また泣きそう」
大ちゃんが笑ってかずの目尻を拭った

「だって……」

「寂しがってくれるのは嬉しいもんだよ」

翔ちゃんが頭を撫でる


その様子を見てる俺は、何だか胸が暖かった

このまま変わらないでいたい

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