今日も明日も
第58章 見えない鎖 part Ⅱ
俺の、この気持ちは何だろう
庇護欲?支配欲?
それともまた違う別の気持ち?
まだたった1週間
だけど小柄なかずくんの存在は、俺からしたらとても大きくなっている
このまま傍に置いておきたい
傷が治っても、心を取り戻しても
かずくんを放したくない
そんな不思議な感情が、俺の中に生まれ始めていた
「まーくん…?」
何も言わずに抱き締めてる俺をかずくんが呼んだ
「まーくん、泣いてる」
言われて初めて、自分が涙を流してる事に気が付いた
何泣いてんの、俺
今日はどうしちゃったんだよ
「まーくん」
背中に、暖かい感触が流れ込んだ
遠慮がちに、…だけどあやすようにかずくんが背中をポンポンと叩いている
ああ、気持ちいい
かずくんも一生懸命に俺を宥めようとしてくれてるんだ
明日は、かずくんの服を買いに行こう
お箸も茶碗も歯ブラシも “かずくん専用のもの“ を用意しよう
かずくんが「出ていく意思」を見せないのを俺は利用するんだ
後ろ暗い気持ちがない訳じゃないけど、それでも傍にいて欲しい
ー…離したくないと思った
to be continue…