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今日も明日も

第60章 見えない鎖 part Ⅲ


「んん…?、え、うわっ、ちょ…っ!?」

まーくんが、起きた

物凄く驚いた顔をしてる

なんで?
気持ち良くない?


「かずくん?!何してんの!」

慌てて俺を引き剥がしたまーくんが、ゼェゼェと荒い息を吐いている


「俺、何も出来ないから…」

「かずくん?」

「これ、いつも皆が喜んでたから…まーくんにも喜んで欲しくて」

喜んでくれると思ったのに
…まーくん、全然嬉しそうな顔をしない

どうしよう

ダメだったのかな


「かずくん、ちょっと待って」

思わず泣きそうになった俺をまーくんが見つめてきた

「…こんなこと、ずっとしてたの?」

まーくんの声が、いつもより低い

やっぱりダメだったんだ
俺、まーくんを怒らせちゃったみたい


「お金になるって、喜んでた」

「誰が?」

「……お兄ちゃん」


まーくんの顔が、険しくなった


そういえば、まーくんは何も聞いてないんだっけ
俺も、話してなかったかも

…居心地が良くて、話したくなかったんだ



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