今日も明日も
第65章 見えない鎖 part Ⅵ
もしも本当に先輩の言う話と一致したら
…もしも、“兄“ と先輩が友達だったとしたら
考えただけで心臓がバクバクする
「あのさ、もし俺の考えてる人物が当たりだったら…」
「当たりだったら…?」
「逃げろ。すぐにでも」
“それが出来ないならあの子から離れろ“
そうキッパリと言いきった先輩の目は、怖い程に真剣だった
「彼、かずなりくんって名前じゃない?」
「そう、です…」
「体に、虐待の痕がなかった?」
「…ありました」
先輩は “やっぱり“ と言って、溜め息をついた
「お前がどこまで知ってるか分かんねぇし、何であの子といるのかも今は聞かないけど
…とりあえず今から抜けるから俺の話を聞け」
今日は先輩と取引先との打ち合わせに同行する予定だった
だけどそれは朝イチでキャンセルしたと言う
そうまでして俺と話さなければいけない内容って何なんだろう
そして先輩の “逃げろ“ の意味
頭の中には、玄関に寂しげに座るかずくんの姿がやたら鮮明に蘇ってきていた
to be continue…
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