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今日も明日も

第66章 蜜月



この部屋に来たのは何でだろう

二人きりの空間

何度も “好きだ“ と言われてた
何度もそう言う雰囲気にはなった

だけど先に進むのが恐くてずっと逃げてた

それなのに

今日は何だか、嫌だと言えなかった


「なんか飲む?」

「…いらない」

やけに落ち着いてる相葉さんが憎い

俺はこんなにドキドキして、緊張してるって言うのに

だってここまで来たら次はどうなるかなんて
それこそ中学生レベルで分かる


ソファーに座る俺の隣が、重みを受けて沈む

それだけでも緊張するのに、すぐに肩を引き寄せられたら

もう、どうして良いか分からなくなる


「…何で、そんなに落ち着いてんだよ」

恨めしげに、チラリと睨み付けた

「俺?…落ち着いてるように見える?」

何言ってんの

しれっとした顔してんじゃねぇか


「違うよ。すっごいドキドキしてる」

“ほら“ と手を取られ、相葉さんの胸に押し当てられた

手のひらに感じる早い鼓動

確かに俺と同じくらい、ドキドキ言ってる

「本当だ…」

「ね?…凄いでしょ」

相葉さんがちょっと照れたように笑った

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