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今日も明日も

第67章 お友達からはじめましょう


腕を離してと同時に、振り払うように歩き出した俺の後ろをくっついてくるそいつ

「だから何なんですか」

顔を見る事なく突き放すけど

「ちょっとマジで覚えてないの?」

そいつもまためげずに同じ言葉を繰り返していて

キリがないと判断した俺は、仕方なく立ち止まり


「覚えてないし、あんたなんか知らないから」
そう、ビシッと言い放った

だけど

「だって…カズナリくんだよね?」

名前を呼ばれて、思わず目を丸くしてしまった

こいつ、俺の名前知ってる

え、…マジで俺、関わりあるの?
こんなチャラそうな奴と?

何処かで見たような…ってのは気のせいじゃないって事?


「えーと、あの…」

何て言って良いか言葉に詰まる


だってさ
これって、また俺ってばやらかしたって事じゃんか

まさか “俺とヤッちゃいました?“ なんて聞けないし

万一そうじゃなきゃ、俺はアブナイ奴に認定されるじゃないか


「んー、… “Amore“ って店は知ってる?」

「あ、うん」

知ってるも何も
マスターは俺の高校時代の先輩だし

「そこでさ、一緒に飲んだんだけど」

飲んだとしたら先週か

まじまじと目の前の奴を見ながら、俺は記憶を必死に手繰り寄せた

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