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今日も明日も

第67章 お友達からはじめましょう


いや、何となくじゃない

充分違和感だろ

酔っ払ってた俺の、この性別お構い無しになる癖はホント最悪だと思う


でもしっかり覚えているこいつは?

同性愛者って事?


…まあね、俺もそこらへんは曖昧な感じではあるけどさ

女の子はもちろん、男と付き合った事はあるし




「…友達でも、だめ?」

何も答えられない俺に、そいつは今度はやけに寂し気な顔をする


「いや、別にだめって訳じゃ…」

そんな顔を見たら何だか断るのが悪いみたいじゃないか



ただ、俺には “友達“ と言える存在がいないから

その “友達“ ってのがどういうものなのかが分からないんだ


「じゃあ、いいの?!」

途端にパッと明るくなったそいつに今さら嫌だとは言えない

「…うん」

だから、頷いてみせるしか俺に選択肢は残されてなくて


「良かったーっ!ありがとう!」

だけどクシャクシャの笑顔でそこまで喜ばれたら

まあいっか、なんて思う自分もいて


こいつも人は悪くなさそうだし、その “友達“ ってのになるのも面白いかもって感じ始めて


気付いたら目の前のこいつに連られて一緒に笑っていた

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