今日も明日も
第70章 見えない鎖 Ⅷ
急遽訪れた予期せぬ連休は、思いの外穏やかに始まった
かずくんは最初こそ “自分のせいで休んでいるんじゃないか“ と、かなり気にしていたものの
やっぱり俺がいる事を嬉しいと思ってくれているようで
俺の傍に朝からぴったりとくっついている
にゃん太と遊びながらも、チラチラと俺を窺う様子は可愛いとしか言い様がない
かずくんの表情も、満面の笑みと言うのはいまだに見た事はないけど
だいぶ穏やかになっているようにも見える
外に出られない事は別に苦ではないし
元々かずくんは外に出る事はしない
急を要するものは先輩に伝える事になっている
言ってしまえば、軟禁だ
だけどそれが別に嫌だと言う事もなくて
…唯一困ると言えば、仕事に行ってる時には気付かなかったけれど
やたらとかずくんに対してちょっとした仕草にいちいちドキドキしてしまう事くらいだろう
それまでも、ふとした時にドキッとした事は確かにあったけど
思わず手を伸ばしたくなる衝動は長く一緒にいる分、増えている気がする