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今日も明日も

第70章 見えない鎖 Ⅷ


にゃん太はただじゃれてるのかも知れないけど

やらかしてしまった俺にはそうはとても思えなくて

それこそ自業自得としか言い様がないし



「いなくなったりしないから…」

「…本当ですか?」

「だから…もう、こんな事しないから許して欲しい」

かずくんがふるふると首を横に振った

…そうだよね
許したくなんかないよね

「顔…洗ってくるから、手…離してくれる?」

分かっていても絶望の色が隠せなくて、唇を噛み締める


「違う…まーくん、違います…っ」

かずくんは何を言おうとしているんだろう

許せないから首を振ったんだろうに



「まーくんは…助けてくれました…優しくしてくれました…だから…っ」

必死に何か伝えようとするかずくんからは、俺への嫌悪感は見られない


ー…いいの?
俺を許してくれるの?

かずくんのお兄さんと同じような事をしようとしたのに?

跨いでいた足をどけて、横たわるかずくんの隣に膝をついて

「かずくん…ごめん」

もう一度、頭を下げた





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