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今日も明日も

第70章 見えない鎖 Ⅷ



のろのろとかずくんも体を起こし、俺の真正面に同じように膝をつく

「嫌いになんか…ならないです」

まだ震えの治まらない、俺よりも小さな手が

ゆっくりと俺のそれに重ねられた


ー…ドクン

その感触に心臓が大きく波打った

手なんて何度も触ってるのに
握ってるのに

やっぱり今すぐ引き寄せてしまいたい
その唇に噛み付いてみたい


再び沸き上がろうとする、どろどろとした俺の歪んだ感情を必死に抑え

俺は曖昧な笑みを作ってごまかした





*******


かずくんは、今まで以上に俺の傍にいる事を望んだ

多分俺が少し距離を取ろうとするのを感じ取っているようだ

表面的にはそれまでと大して変わらない生活に戻って、俺も衝動を抑えられている


かずくんも俺も、べらべら喋る訳ではないから静かな時間の方が多いけど
にゃん太を構いながら過ごすまったりとした時間は

この後に訪れる異空間のような出来事に巻き込まれる前の

もしかしたら、所謂 “嵐の前の静けさ“ なのかもしれない


…さっき先輩からのメールを読んだからか

余計に今の時間を守りたいと、思えた



to be continue…

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