
Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第7章 桜蘭(さくら)
聖輝「あっあの…櫻井様…さっきは本当にありがとうございました!櫻井様がいなかったら私…」
ギュッ!!
櫻井「聖子ちゃ〜ん!!」
聖輝「えっ?!」
櫻井「よかった〜ホテルに連れて行かれなくて!!」
聖輝「さっ櫻井様…」
櫻井「ああいう奴らさ、すぐ女の子とヤろうとするからさ…しかも聖子ちゃんおとなしいでしょ?だから余計に狙われるんだよ!!」
聖輝「そっそんな…私…」
櫻井「それに聖子ちゃんさ、もっと抵抗しなよ!聖子ちゃん優しすぎるから男達はつけあがってホテルに連れて行こうとするんだよ?!」
櫻井「それでさ、すぐ相手の雰囲気に飲まれていつの間にかヤられるのがオチだよ?!」
聖輝「えっえと…櫻井様…」
櫻井「俺…聖子ちゃんを他の男に取られるのやだ…ずっと俺のそばにいてほしいよ…」
聖輝「櫻井様……」
櫻井「聖子ちゃん…好きだよ…」
聖輝「……。」
櫻井様が相手だったらどの子も間違いなく堕ちる。
でも…僕は男だから…
たとえ相手がイケメンでも、お金持ちでも、優しくても…堕ちる訳にはいかない…
聖輝「櫻井様…ありがとうございます…こんな私のことを気にかけてくれて…」
櫻井「うん…」
聖輝「私も櫻井様のことは素敵だと思っています。でも……」
櫻井「でも…?」
聖輝「私には…誰にも言えない秘密があります…それがある限り…男性とお付き合いする訳にはいかないんです。」
櫻井「秘密って?俺…聖子ちゃんのことなら何でも受け止める自信あるよ?」
聖輝「いいえ…いくら櫻井様でも…この秘密はそう簡単に受け止められないんです…」
櫻井「そんなことない!聖子ちゃんのことだったら」
聖輝「ダメなんです!!」
櫻井「えっ…?」
聖輝「ごめんなさい…秘密を知られるのが怖いんです……」
櫻井「聖子ちゃん…」
聖輝「……いつか…打ち明ける時が来ると思います…その時まで…待っててくれませんか…?」
櫻井「……分かった…待ってる…」
聖輝「ありがとうございます…」
櫻井「うん…」
僕はしばらく櫻井様の胸から離れられなかった。
