Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第2章 はじまり
聖輝「えっ…?!」
中野「ちょっ…ちょっと待ってください!どういうことですか?!」
校長「いやぁ…この間お話した急遽アメリカへ転入が決まった新入生がね、親のアメリカの出張が延期になったからこっちで勉強したいって言ってきましてね…」
中野「だからって…そんな入学式前に入学キャンセルなんて…ありえませんよ?!」
校長「そうなんですけどね…彼のお父様がね…ウチの高校に多額の支援金を寄付していただいてましてね…こちらとしては逆らうわけにはいかないんですよ…」
聖輝「そっそんな…」
中野「じゃっ…じゃあ…この子は…聖輝はどうなるんですか?!」
校長「まぁ、私もそこまで鬼じゃないから…別の高校に話をつけて、入学させてくれるところを見つけておきました。」
聖輝「えっ…?」
中野「ほっ本当ですか…?」
校長「えぇ、今の我が国は学力社会、中卒の若者なんて誰も必要としませんからね。天涯孤独のきみだってそう、学ぶ権利はあるんだから。」
中野「そっそうですか…あの…ちなみに何処の高校ですか…?」
校長「相模原工業高等学校。」
中野「えっ…?!」
聖輝「相模原…工業高等学校…?」
聞いたことない…
聖輝「あの、その高校ってどこに」
バンッ!!
中野「ふざけるな!!そんな高校に聖輝を通わせろって言うのか?!」
聖輝「なっ中野さん…?」
校長「そんな高校って…私だっていろんな高校に連絡入れましたよ?でも、定員いっぱいで何処も受け入れてくれなかったんですよ。」
中野「だからって…どうしてあんな高校に…!!」
校長「いやいや…この入学式直前に受け入れてくれただけでもありがたいことでしょ?」
中野「ありがたいだと…?!大迷惑だ!!」
聖輝「なっ中野さん!どうしてそこまで断るんですか…?」
中野「聖輝くん…相模原工業高等学校っていうのはね……通称さが高って呼ばれる……」
中野「不良しか集まらない高校なんだよ。」