
Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第8章 小山さん
小山「叔父には感謝しています…仕事もアパートも紹介してくれて…やっと普通の暮らしができるようになったんです。」
聖輝「よかったですね…小山さん…」
小山「はい…それに…今の仕事好きなんです。」
小山「前までは黙々と一人で仕事をするのが一番の楽しみだったんですけど…今では…きみがいる。」
聖輝「えっ?」
小山「何だろう…涼野くんとしゃべってると…すごく心が落ち着くんです…こんな不良校に来ても何の癒しもないと思ってたのですが…」
小山「だから…涼野くんの姿を見ると…自然と話しかけてしまうんですよ…」
聖輝「えっ…?」
小山「記憶障害をきっかけに誰かと話すことを避けていた僕だったけど…涼野くんとはしゃべりたいって思うんです…」
小山「不思議ですね…こんな気持ちになるなんて…」
聖輝「小山さん…」
小山「…あっ…すっすいません!僕ってば勝手にぺらぺらと……」
聖輝「…いえ…小山さんのことが知れてよかったです…」
小山「えっ?」
聖輝「ふふ、僕…小山さんのこと変わってるけど…面白い人だなって思ってたので…小山さんがどんな人か改めて分かってよかったです。」
小山「涼野くん…」
聖輝「これからも…よろしくお願いします。」
小山「こっこちらこそ…」
僕は小山さんと握手をした。
小山さんは変わってる。
変わってる人だけど…話しやすいし面白い人。
だから僕は嫌いじゃない、むしろ好き。
