Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第9章 初デート
聖輝「うわぁ…すごい!!」
店内はまるでおとぎ話に出てくるようなメルヘンチックな内装になっていた。
聖輝「あっこのマグカップ可愛い!あっこっちのお皿も可愛いなぁ〜」
櫻井「ふふ、聖子ちゃん楽しそうだね。」
聖輝「だってこんなに可愛い小物がたくさんあるんですよ?飽きませんよ!」
櫻井「そっか、このティッシュケースも可愛いね。」
聖輝「どれですか?あっワンちゃんだ〜♡」
店内に置いてある雑貨はどれも可愛くて、正直全部欲しいくらいだった。
聖輝「ん〜せっかくだし何か買おっかな〜?」
櫻井「どれ買うの?」
聖輝「うーん…お財布と相談すると…3000円分までですね…」
櫻井「3000円か…」
聖輝「うーん…このティッシュケースも可愛いし…このスリッパも欲しいなぁ…あっ!この抱き枕も可愛い!」
どうしよう…どれも可愛くて選べないよ…!!
櫻井「聖子ちゃん、よかったら全部プレゼントするよ?」
聖輝「えっ?」
櫻井「このお店全体的にリーズナブルだし、聖子ちゃんとの初デートの記念に…ね?」
聖輝「いっいや…そっそれはダメです!いくらお金持ちの櫻井様がそう言ってくれたとしても…そんな…」
櫻井「俺のことは気にしないで、聖子ちゃんに喜んでほしいから。」
聖輝「でも……」
これって…金づるになるんじゃ…
櫻井「聖子ちゃん、俺カゴ持ってくるから欲しいもの選んでて。」
聖輝「あっ…櫻井様!」
行っちゃった…
聖輝「…どうしよう…」
ただでさえ櫻井様のこと騙してるのに…お金使わせるなんて…
聖輝「…ダメ、絶対ダメ!」
そんなことしたら間違いなくバチがあたる!
聖輝「…でも……」
欲しいものいっぱいあるし…
聖輝「……。」
櫻井「聖子ちゃんお待たせ。欲しいもの選んだ?」
聖輝「…櫻井様…」
櫻井「ん?」
聖輝「あの…櫻井様が選んでください。」
櫻井「えっ?」
聖輝「私…外で待っていますので、櫻井様が私にプレゼントしたいものを一つだけ選んで買ってください。」
櫻井「えっでも聖子ちゃん…」
聖輝「お願いします。」
櫻井「……分かった…じゃあ選んでくるから外で待っててくれる?」
聖輝「はい…」
僕はお店の外で櫻井様を待った。