Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第10章 武田信玄
放課後、僕はメモに書かれていたとおり、一人で理科準備室の前まで来ていた。
聖輝「ゔぅ…誰がいるんだろう…」
こっ怖すぎる…!!
聖輝「でも…今日バイトだし…さっさと済ませないと…」
コンコンッ ガラガラ…
聖輝「しっ失礼します……」
僕は意を決して理科準備室に入った。
聖輝「あっあの…すっすみません…」
シーン……
聖輝「すっ…すみません!誰かいますか…?」
声をかけても返事がない。
それどころか物音一つ聞こえない。
聖輝「どっどうしよう…誰もいないんじゃ…」
ガチャッ
聖輝「えっ?!」
突然鍵が閉まった。
聖輝「えっ?!なっ何で急に鍵が…?!」
『疾きこと風のごとく…』
聖輝「?!」
『徐かなること林のごとし…』
聖輝「だっ誰?!」
『侵掠すること火のごとく…』
『動かざること山のごとし…』
シュッ
聖輝「?!」
「約束通り一人で来たこと…褒めてやろう…」
突然目の前に一人の男が現れた。