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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第10章 武田信玄



聖輝「廃墟の地って…何処だろう…」


「あの〜…」


聖輝「あっ小山さん!」


小山「何か…困っていますか?」


聖輝「はい…あの、廃墟の地って何だと思いますか?」


小山「廃墟の地…?」


聖輝「はい…今日の17時でそこで待ち合わせしてるんですけど…意味が分からなくて…」


小山「廃墟の地…使われていない場所ってことですか…?」


聖輝「使われていない場所…あの、この学校でそんな場所ってありますか?」


小山「使われていない場所…そういえば、南校舎の1階は使われていませんね。」


聖輝「南校舎の1階?」


小山「ええ、そこだけ開かずの扉になってまして…」


聖輝「開かずの扉…」


小山「多分その場所のことなんじゃないかと…」


聖輝「そうですか…分かりました、ありがとうございま……あれ?」


小山「なっ何か…?」


聖輝「小山さん…何かいい匂いしますね。」


小山「えっ?」


聖輝「何だろう…チョコレートのような美味しそうな匂いがします。」


小山「チョコレート…ひょっとしてこれですかね…?」


聖輝「何ですかこれ?」


小山「昨日叔父の会食について行った時に女の人からもらった香水です…」


聖輝「香水?」


小山「何でもフランスで作られてるという高級品らしくて…」


聖輝「へぇ……」


小山「あの…僕いらないので…よかったらもらってくれませんか?」


聖輝「えっ?!こっこれ…ですか?」


小山「えぇ…僕…甘い匂いとか好きじゃないので…」


聖輝「そうですか…では…ありがたく…」


僕は小山さんからチョコレートのような匂いのする香水をもらった。


小山「…あっ、そろそろチャイムなりますよ?」


聖輝「あっ、じゃあ失礼します!ありがとうございました!」


僕は小山さんにお礼を言って教室へ戻った。

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