Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第11章 ケルベロス
ガラガラ…
聖輝「失礼しました。」
僕は重たい資料を持って生徒会室に向かった。
聖輝「ハァ…何で毎回僕に頼むんだろう…」
しかもよりによって生徒会室に運ぶなんて……
聖輝「…ケルベロス…いるのかな…?」
『うん、こっちは大丈夫だよ。』
聖輝「えっ…?」
生徒会室から何か話し声が聞こえてきた。
『うん…うん…心配しないで、さが高は俺が守るから。』
聖輝「この声……」
『…あははっ!じゃあまた後でね、さとしくん。』
聖輝「……さとし…くん…?」
ケルベロスの友達かな…?
聖輝「……。」
資料…届けないと…
コンコンッ
聖輝「すっすみませーん…あの、1年2組の生徒の資料を届けにきました…」
シーン…
聖輝「あっあれ…」
どっどうしよう…反応がない…
聖輝「すっすみませーん!」
…やっぱり反応がない……
聖輝「しっ…失礼します…」
僕は意を決して生徒会室のドアを開けた。