Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第12章 大倉くん
時は流れ、日曜日。
この日は大将さん達と大倉くんのお見舞いに行く約束をしていた。
一徹「おっ聖輝!」
聖輝「ハァ…ハァ…ごめんなさい!遅れちゃった…」
春樹「いいよ、俺達も今店から出てきたし。」
有紀「じゃあ行きましょうか。」
僕は神楽家の車に乗り込み、病院へ向かった。
春樹「学校…最近どう?」
聖輝「えっ?あっうん…何とかやっていけてるかな…?」
有紀「そう…今でも時々あの高校の生徒のよくない噂が流れてるのよ…」
一徹「あぁ、夜中の暴力事件とかな…」
有紀「聖輝くん!くれぐれも…気をつけてね…?」
一徹「ケガさせられたら一刻も早くやめるんだぞ?」
聖輝「はっはい。」
春樹「さが高って年々荒れてる生徒が増えてきてるからね…他校からのバッシングとか酷いんだよ…」
聖輝「そっか…そうだよね…」
有紀「聖輝くん…何かあったら何でも言ってね?」
一徹「そうだ!お前はもう俺達の家族だからな!家族を守るのが一家の大黒柱の務めだからな。」
聖輝「大将さん…女将さん…」
春樹「俺も、できることって限られてると思うけど…何かあったら相談して。」
聖輝「春樹くん…」
みんな…どうしてここまで優しくしてくれるんだろう…
僕は誰にもばれないようにひっそりと涙を流した。
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