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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第12章 大倉くん



春樹「そうそう、昨日たっちゃんとLINEしてたらさ、未だに病院食慣れないんだって。」


一徹「病院食?あれは美味しくないだろ、味気ないし…」


有紀「そうね、患者さんの状態に合わせて作られてるからね…」


春樹「食いしん坊のたっちゃんだと、物足りないだろうなぁ…」


一徹「そーこーで!俺特製の親子丼がここにあるってことさ。」


聖輝「親子丼?」


春樹「たっちゃんさ、親父の作った親子丼が食べたいってずっと言ってるんだよね。」


有紀「そうそう、あの子はこの人が作る親子丼が大好きなのよ。」


聖輝「へぇ…」


一徹「みんなの分も作ってきたからあとで一緒に食べような。」


聖輝「わぁ…ありがとうございます!」


春樹「なぁ親父、親子丼って言ったらさ、たっちゃんいっとき賄いずーっと親子丼だった時あったよな?」


一徹「あったあった!あれはすごかったな。」


有紀「ふふ、大倉くんよく食べる子だからこーんな大きな丼に作ってたわよね。」


聖輝「えっどれくらいですか?」


春樹「ウチがいつも使ってる丼の1周り大きいやつ、だから…本当これくらい。」


聖輝「うわ、デカ!」


一徹「あはは!何せ身体も大きい子だからな。」


聖輝「へぇ……」


春樹「それにね、聖輝くんのこと話したらたっちゃんも会いたいって言ってるんだ。」


聖輝「えっ僕に?」


春樹「うん、結構食いついてたからすぐに仲良くなれると思うよ。」


聖輝「そっかぁ…」


有紀「あっ、あの病院よ。」


一徹「おっ着いたか。」


病院に着き、車は地下の駐車場に停めた。


一徹「あぁ…久しぶりだなぁ…」


春樹「元気かなぁ…たっちゃん…」


聖輝「……。」

うわ…急に緊張してきた…!!

有紀「大丈夫、大倉くん優しい子だから。」


聖輝「女将さん…」


一徹「あったあった、ここだ。」


聖輝「あっごめんなさい、ちょっとお手洗いに…」


春樹「分かった、先入ってるね。」


僕は急いでお手洗いに向かった。

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