Beast 〜獣たちに好かれた僕〜
第14章 クラウン
篤樹「お前さ…さっきすげぇ必死な顔してたけど…何かあったか?」
聖輝「あっいや…なっ何でもないですよ!」
篤樹「ふーん……」
聖輝「なっ何ですか…?」
篤樹「いや、別に。」
聖輝「そっそうですか…」
篤樹「おっそうだ、お前にやる。」
聖輝「えっ?」
篤樹「トランプ。」
聖輝「えっ…?!」
篤樹「この辺に落ちてたんだよ、これ。」
聖輝「どっどうして僕に…?」
篤樹「お前さ、さが高の奴が暴れ回ってる事件について調べてるだろ?」
聖輝「えっ?!」
篤樹「無意識か知らねぇけど、さっきからトランプトランプってぶつぶつ呟いてたぞ?」
聖輝「えっ?!ほっ本当ですか?!」
篤樹「うん、だからやる。」
聖輝「……。」
篤樹「そのトランプさ…面白いもん付いてるんだよ。」
聖輝「えっ…?」
篤樹「カード、血付いてるだろ。」
聖輝「あっ本当だ…側面の方に血が…」
篤樹「カード使った奴の血かもな。」
聖輝「えっそれって…」
篤樹「この血の量じゃ相当ざっくりと切ったってことだな、うん。」
聖輝「このトランプ……」
僕…とんでもない証拠見つけたかも…!!
聖輝「あっありがとうございます!!」
篤樹「おう。」
聖輝「あっあの、失礼します!!」
篤樹「おぉ、またな〜」
僕は急いで家に帰ってルーペを使ってトランプを確認した。
聖輝「このトランプ…間違いない…!!」
わずかだけどカードの傷口に血が浸透してる…
聖輝「つまりトランプ事件の犯人は……ケガをしてる人!!」
松本さんの手は…両方ともケガしてなかった!
聖輝「トランプ事件の犯人は松本さんじゃない!!」
僕は名探偵になったつもりで部屋で一人推理をしていた。
聖輝「やったぁ…松本さんが犯人じゃないって証明できる!」
聖輝「あっ…でも……」
どうして松本さんはあんなこと言ったんだろう……
聖輝「…松本さん……」